P女子学園の女子のカツアゲ(前編)


P女子学園は馬渕美智子の通う黒猫学園の隣町に存在する非常に校風の乱れた学校だ。
分かりやすくいえば渋谷系のコギャルみたいなのがゴロゴロいると言えば分かりやすいだろうか。
茶髪金髪日焼けにルーズソックス・・・彼女らにとって学校とは勉強する所ではなく単に友達とベシャリに
来たり楽しく過ごす為だけのもの。
クラブにゲーセン、カラオケ、男とデートする為に着る服やブランド物の高級バッグ・・・
当然、楽しむにはお金=マネーがいる訳だが彼女らに親の小遣いやバイトで・・・などというショボイ発想は
ない。
やるとすればただ2つ。
援助交際か、もしくは気の弱い生徒を裏に連れ込み持っているお金を根こそぎ奪うカツアゲのどちらかだ。
そんな学校の近くを彼女、馬渕美智子が歩いていると案の定、コギャル風の三人組が歩いて来て彼女は
捕まり、路地裏に連れ込まれた。
美智子は外見も中身も非常にまじめな女の子。
ルーズソックスの代わりに白い綿100%のスクールソックスをひざ下まで履き、スカートの丈も普通でブラウスのボタンは必ず上まて閉めていた。
そして綺麗な黒髪はショートボブでいつも髪を洗っているのか天使の輪が日の光を浴びて美しく、いまどき
珍しい清純なクラス委員タイプの美少女を演じていた。
が、それも不良からすればカツアゲしやすいタイプの見本でしかなかったのだが・・・
「・・・私に何か・・・」
革のカバンを両手に持ち、あくまで冷静にポーカーフェイスを演じる美智子。
囲んだ3人の中でもリーダー格の通称・ナミは170の背を持ちロンゲ、金髪で威圧的だ。
「アンタ・・・有名人のマブチでしょぅ?学校の校庭でマッパでM字開脚したってねぇ。あたいのダチの男が
騒いで騒いで・・・でも好きよ私そういう子・・・友達にならない?クスクス・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
美智子は黙り、下を向いた。
美智子の視野は狭い。
まさか他校にまで自分の全裸の話題がいっているとは・・・
「・・・・ナミィ、こんな奴可愛いかぁ?10人並じゃん」
「だよねぇ。何このソックス!アタシの妹でもこんなん履かないって!!オヤジかお前はっ!!
キャハハハっ!!!」
「野郎には受けがいいんでしょ?だって見るからにチェリーガールじゃん、コイツ(笑)。初物に弱いんだよ
男はね。グミッチも愛も覚えときなよ」
3人の会話の壁ぞいに立ち尽くす美智子が彼女らが何を望んでいるのかは分かっていた。
勿論彼女は空手部の主将で黒帯の有段者だからコギャル程度にまともにやれば負けない。
しかし大会を控えるスポーツウーマンとしては禁を破り暴れればどうなるか・・・ここに美智子の最大の
長所であり最大の弱点でもある性格が存在する。
(自分がお金を払えばいいんだわ・・・)
自己犠牲を縦に彼女はこの場を逃れようとしていた。
が、ナミ達の狙いはお金だけではなかった。
見下すように美智子をフフン、とナミは見つめると言った。
「1番と2番、マブチはどちらがいーい?」
「え・・・・」
「やだなーっ、ゲームよゲームっ!なによそのイジメテ光線たっぷりの顔は(笑)。ねっ、どっち?どっち?」
「・・・じゃ、じゃあ・・に、2番で・・」
「お客さま、2番コースご指名でぇーっす☆」
「きゃっ!」
すると脇にいたグミッチが後ろから美智子を羽交い絞めし、バタッ、と路上に落ちたカバンを愛が拾い中を見だした。
「や・・・やめて下さい・・・ああ・・」
「だーかーらぁ、ちょっと見るだけだって!友達でしょ?でしょ?どうよマブちん。ん?ん?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「あーっ、そういう態度ぉ?いくらダチでもシカトはないっしょぉ!!!ひどーいっ。ナミ、どう思うう?」
「それは・・・ダメよマブチさん。愛はね、早く仲良くなろうと思ってあなたの事知りたくってやってるんだからさ。」
美智子の瞳にだんだん涙がたまってくる。
イジめる側としては美智子のようなバカ素直で純粋な子がズタズタにされていくサマを見るのはたまらなくおもしろいのだ。
「ナミぃ、もういいよぉ。マブちん泣きそうじゃん。それより見て見てマブちんのおサイフ!五千円くらいあるよぉ!!
友達記念にみんなでカラオケ行ってハジケちゃおうよ!!!」
「いこうぜナミ」
だがナミは動かず言う。
「まだ2番コース続いてるじゃん!マブチさん、ランジェリー姿になってよ!」
「え・・・・」
煮え切らない美智子にナミはダメ出しで追い詰める。
「アタシがシャツやスカート脱がすとボロ雑巾見たく破れまくるのよ。自分で脱ぐぅ?それとも・・・」
「・・・・・・・・・・・・自分で・・脱ぎます・・・・」
泣きそうな顔を見られまいと必死で下を向きながらネクタイに手をかける美智子とはうらはらに3人は声もなく
3人同時に見合わせてニヤリと微笑んだ。