ほんの一瞬だった。
三尺程度の剣が巨大なツルギとなり風邪を切るような轟音を発し何十というソーセージ兵の首を一瞬で飛ばした。



ストトトトトトトッ!!!!



いわゆるギュイン!ゴォォォッ!という音ではなく低いストトト音なのだがその惨劇を目の当たりにした歴戦の
勇者たち、はじめて戦場にいる若い兵士たち、誰もが極度の緊張で声が出ず、数多くの兵士たちが生き物としての


恐怖


を体中で感じ、畏怖し身も心も凍りつく。
理屈ではない。
仕事?
そんなものより命。
これだ、これなんだよ。
円でエナを囲んでいた兵士たちは方向を変え、やがて一目散に散り散りになり逃げ惑う。



た・す・け・て・・・



もはや恥も外聞もなかった。
古老の騎士でさえ見た事、経験した事のない程の高速ブレードをこの小さな少女騎士は持っていた。

・・・に、逃げろっ(泣)!!!