照りつける太陽・・・
フリートの民がいつも集合する゛交わしの広場゛に到着するとエナはソーセージ兵達を馬から降ろさせ、自らも
馬から降り、懐かしい祖国の大地に降りたった。
快晴でうだるような暑さの中、特に辛酸をなめ、小さな剣聖の帰りを待ちこがれていたフリートの好戦派の
騎士達は緊張とともにギラギラと溢れんばかりのアドレナリンを抑え、この光景を見つめていた。
手には剣、槍、双頭槍など様々だが特に若い騎士達はソーセージ兵達が許せなかった。
遺恨もある。
が、風邪の噂でエナが全裸晒し者にされ、沢山の雑兵に犯されまくった事実を皆、知っていた。


・・・ぶっ殺す・・・


エナはフリートの騎士達全てにとって戦女神であり剣聖であり軍団長であった。
が、それ以上に大事な・・・はっきり言うと皆、蘇芳エナを愛していたのである。


てめえら、ぶっ殺す・・・


そのピリピリした緊張感を肌で感じ、ソーセージ兵達も腹をくくり槍を強く握る。


・・話し合える状態ではない・・・


彼らも命賭けで敵地に乗り込んで来たのである。
たとえかなわぬまでも場合によっては一戦交え、名に恥じぬ死に様を見せる覚悟はある。
そんな中に主人公、エナはいた。
そして緊張の糸をフ・・と切るように彼女は怪剣スオウを天に向けゆっくりと、ゆっくりと瞳をつむった・・・