戦乙女 蘇芳エナ物語・最終話




とうもろこし畑と水車の小国、フリート。
驚いたのはソーセージーの衛兵達だ。
決して明るくはない剣以外は愚鈍な感じの馬上のエナを見つけ、沢山の子供達が村人が寄って来るではないか!
(・・・これは・・・なんと・・・・・・・)
門を入り主要道路を歩くたび、遠巻きで見る者、寄って来る者さまざまだ。
およそ、人徳なのであろう。
エナは要領を得ない性格の子だが素直で裏表がないから、最初は親しみにくいがだんだんと慣れてくると「この子は
こうだ」という認識をされ、好かれるタイプなのだろう。
以前を思い、馬上でおとずれる者、剣を持ち従う者もあり、広場に着く頃には総勢千人程の群集にまで膨れ上がっていた。
が、当のエナはいつになく冷静な顔で馬を進めていた。

嬉しくないはずがない・・・

見慣れた顔もある。
一緒に戦場を駆け回った老兵達や若い騎士達もいる。
街で会う老婆や犬達、国王にだって会いたい・・・
だが彼女には明日の死刑執行を前に最後の大仕事が待っていた。
彼女にしかできない唯一無二の最後の任務。
不世出の剣聖、エナは今、ここで何をなすべきか、全て分かっていた。
ソーセージーの衛兵達はわずかに百。
両国とも、異常な緊張と歓声の中にいた。
小国フリートはいつも大国に挟まれ、沢山の命をなくし、泣いていた。
そこに小さな神の手を持つ騎士は現れ、大国達を幾度となく返り討ちにし始めた。
そして彼女はやがてフリートの至宝となり、隣国に恐れられるようになっていった。
弱ってはいるが彼女はその、不世出の剣聖、蘇芳エナなのだ。


ちょろい・・・
10分だな。10分ですべてスライストマトだよ。あの人なら。



フリートの好戦派の兵士達は願った。
エナが剣を取り、やれば、やればまた戦争がはじまる。

3千の兵で城で篭城ならば半年は持つ。
少なくとも以前の彼女ならば怒号一発で敵を切り伏せていただろう。
ザワザワと活気みなぎる広場にエナを囲んでソーセージー兵は立ち止まった。
エナにいつもの愚直さや迷いはなかった。
周りを見渡し、天を仰ぎ、ゆっくりと深呼吸するサマはふだんの彼女とは違い禍々しいものだったがエナは剣を抜き、
天に上げると掛け声と共にあろう事か自分の体を真っ二つに切ったのだ!!!


「おりゃああぁーっ!!!」

ピシャ・・・・・・!パリ・・・・・!!


敵も味方も誰もが黙り、目の前で何が起きたのかが理解が出来なかったが数秒後、スオウの剣で斬られた彼女の
鎧が真っ二つに切られて落ちたのだ!!!


カラン・・・カラーン・・・・・


理屈ではなかった。
そこには赤毛の長い髪をなびかせた裸の乳房まばゆい美少女、蘇芳エナの真の姿が存在したのだった。
色白で華奢、誰もがはじめて見る彼女の裸はうぶで、綺麗で、あのエナらしい肢体であった。

エナは更に続ける。
相棒のスオウを見つめ、剣を逆にし、股間に合わせたかと思うと秘部を隠していたパンティーをサクッ!と斬り、ついに本当の裸になってしまう。
水を打ったようにシーン・・・となる広場を眺めたかと思うと滅多に笑わないエナがクス・・・と優しくつぶやいた。



「戦争は・・・終わりです。エナはもう、騎士でもなんでもありません。」



言うと衛兵に目で合図し、エナは両手を鎖に繋がれた。
涙する者、沈黙する者、色々だが・・・だが誰もが分かった事、それは彼女との本当の別れ、なのだ・・・と。



「・・・人を愛し、いつくしみ、永い繁栄を築くフリートの大地に幸あれ・・・・・・」



言うと彼女は逆に今度はソーセージの衛兵達に連れられ裸のまま馬上、一度も振り向く事なく故郷の地、フリートを跡にした。
小国フリート王と大国ソーセージー国王の願いの先にエナが見た真実、それは平和への石杖に自らがなる事
だったのだろう。
彼女に記憶はない。
だが、同行した衛兵達によれば帰り道、彼女の名前を叫ぶ声が1キロ以上先からも無数に聞こえ続けたという。
最後の死刑の日、彼女は生まれたままの姿で磔にされ、わずか18歳の短い生涯を閉じた。
フリート王国はその後、彼女と愛馬ミントを平和のシンボルとし、フリートの民達は忠実にエナの遺言を
守り続けたという。
そして列強各国が争いを繰り返す中、貧しいながらも小国フリートは戦争のない平和な国として
何百年もの間、栄え続けたという・・





                
                                                                 Fin





如何でしたか?中世物とかファンタジー物自体描いた事がないのでアレですが個人的には中世の鎧を着、それを
屈強の男達にむしり取られる戦乙女とか、割と萌え萌えさせてもらいましたよ♪
結果として僕の描いたエナはやはり「不世出の剣聖」だったと思います。
民を愛し、私欲に溺れず自らを犠牲にし皆を守り平和を取り戻した・・・
つまるところ、彼女の「不世出」とは剣技ではなく彼女個人の事だったのです。
彼女は敵兵に意識がなくなるまで犯されまくり、処女も当然喪失しました。
しかしフリートの民の心の中のエナはいつまでも純潔の騎士のままであり、その記憶は永遠に消える事は
ないでしょう。


機会があればまた描きたいです。
・・・え?ええ、き、機会があれは、ね(汗)。では・・・・




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