戦乙女 蘇芳エナ物語 6





翌朝、彼女に待っていたのは罪人の為の市中引き回しの刑であった。
本来なら裸のままの晒し者だが国王の計らいで薄いパンティー着用を許可されたが、いじわるな兵隊はわざと聞かずにエナは裸のまま徒歩で馬に引きづられ約40kもの長い道のりを渡り歩く。
ソーセージー王国は豊かな町だ。
緑豊かなフリートとは違い小高い丘の上にある石積みの町並みにおしゃれな靴屋、酒場などあり商人も多い。
゛蛇女神、エナ捕まる゛との朗報で集まった町民達は上は年寄りから下は子とも達まで好奇の目でまざまざと彼女を見つめる者、露骨に罵声を浴びせる者、石を投げつける者とさまざまだ。

「・・・・・・・さっさと死ねよっ!!」
「へえ・・・あれか・・・」
「ダンナの敵だよっ!!ソレッ!!!」
「ヘビ女だぁーっ!!おとーちゃんアイツハダカだよっ!!あっちいけーっヘンタイヘビィィーッ♪」
「剣も魔法で操っていたって噂て・・・ヒソヒソ」
「なんだ、まだ子供じゃないか!」
「結構綺麗なのに・・・でもまあ、悪いやつだからなぁ」


晴れたヨーロッパ大陸の空の下、色白で細身だが張りのある胸、くびれた腰、そして形の良いお尻を持つ綺麗な容姿のフリート王国筆頭騎士のエナは裸足で歩き、赤く腫れた足を懸命に引きづりながら罵声、中傷、生き恥の刑
受け、終わった。
そこにはかつての剣舞、エナ様はなく、豚のように四つんばいになり、家畜小屋に入り遅れた豚がムチで叩かれ歩くのと同じで、彼女もムチを浴び、泣きべそを掻きながら足を引きづり牢屋に戻っていった。
戻ってからも上から吊るされ、ムチを何発と浴びたり、三角木馬に乗せられ意識を飛ばされ、その度に冷たい水で
おこされ、汚らしい兵士達に皮肉をいわれる。

「・・本来ならばお前なんて馬と馬の間で引っ張らせて八つ裂きとか、膾とかとっくに命はないんだぜ?国王に感謝 しろよぉクッククク・・・」
(・・・・・・・・・・・)

次の日は町の中心部に裸で晒され、町民達から罵声を浴び、石を当てられ、人の寝静まった夜は沢山の町民らしい男達の手により、何度も何度も股間に、口に、ケツの穴にまで熱い肉棒をズボズボと差し込まれたまらず悲鳴を
上げるエナがそこにいた。
(・・・もう・・・いっそ死にたい・・・・)
そして死刑執行の前の日、いつになく違う空気に包まれた兵士達が彼女の牢屋まで来て言う。

「・・・エナ様、かさねがさねのご無礼、誠にすみませんでした。国王が知らぬ事とはいえ、あなた様に狼藉を働いた兵士達がいた事、陳謝します。まずはこれを・・・」

鎖をはずされたエナが手にしたものはあの朱色のマントと朱色の鎧、そして長い相棒だった怪剣スオウだった。

「・・・し、しかしこれは・・・・エナは罪人です。死をもって終わるのに何故・・・・」
「・・・国王の計らいです」


聞けばあの後、フリート国王はエナが捕まったとの報を聞きつけただちに彼女の願い通りに和議を結んだのだ。
それは大国ソーセージーを通し、これでカラスミ王国などとも友好国となり、戦争は事実上終わりを告げたのだ。

「そうですか・・・フリート国王が・・・・・だとするとこれはいったい・・・」

ニヤ・・・と笑い兵士は言う。

「皆、我が王もフリートの王も、各国王達も全て分かっているのです。エナ殿のせいで戦争が続き、起きるものではない、と。これは人の業・・・魂をもって争うもの全ての業なのです。色んな各国と友好国になれたのも全て、あなたという稀有の存在のおかげなのです・・・しかし」

兵士は正す。

「万民は・・万民はそれでは納得はしません。生贄が必要なのです。国とは、政治とはそういうものなのです・・・」
「分かっています・・・」
「最後の・・・最後の華々しいパレードを故郷、フリート王国にて繰り広げられよ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」


こうしてエナは四方に傷を負った体だがマントを着、鎧を着てソーセージーの護衛兵達と共に馬上の人となり、懐かしいトウモロコシ畑の郷、フリート王国へたどり着いた。



                               戦乙女・蘇芳エナ物語7に続く




予告

エナ凱旋に沸き立つ小国フリートの民、そして騎士達はいったい何を見るのか・・・
和議を結んだ大国ソーセージ大王と小国フリート王が望むものとは?
戦争と平和・・・緋色の聖騎士蘇芳エナが最後に見た真の人の行方とは・・・
次回、感動の最終回です。
こう、ご期待!!・・・勿論、スカートはなしです(歓喜)!!!